日本依存症学会は1日、記者会見を開き、中高年のラグビー経験者の間に「ラグビージャージ依存症」が広まっていると報告した。
症状としては、「ラグビージャージを着ていないと仕事など日常生活が送れない」「着た時だけは通常の1.5倍ほど能力が向上する。」「だが脱いだ後は無力感・倦怠感に襲われ、さらにはイライラ感が高じ、他者への対応に寛容さが薄れ攻撃的になる。重症者は幻覚・幻聴も見られる」など。
患者は基本的にラグビー経験者、特に以前の「襟付き・長袖・綿素材」でプレイした中高年に限られる。最近の「襟なし・化繊・半袖ジャージ」世代の経験者には見られないという。
ただ最近はプレイ経験のない男性ラグビーファンや女性にも症例が見られるとの報告もあるというが、年代的にはいずれも中高年。推定患者数は1万人を超える。
今回の発表に際しては学会内で、「禁断症状」が明確に発現するので、「依存症」と認定すべき、との意見がある一方で、現在のところ「実害」がないため「学術的認定」には慎重意見があったという。だが「禁断症状」がある以上、これが発現した時に事故・犯罪を誘発する恐れがあることは否定できない、との意見が大勢を占め、社会的啓蒙啓発の意味も込め認定し今回の発表に至った。
名称については当初、「競技スポーツ着依存症」の仮称が付けられ、格闘技を含め各競技団体の協力を得て調査が進められたが、ラグビー以外には統計的に有意義な症例は一切報告されず、「ラグビージャージ依存症」の名称が確定した。
「依存症」といえば以前は薬物のほかアルコール・タバコ・ギャンブルなどの「嗜好品」が対象とされてきた。昨年はネットゲームもWHO(世界保健機構)により「依存症」として登録もされている。近年はこれに加え、万引き・DV(家庭内暴力)・性暴力などの「犯罪行動」も対象と考えられるようになり、「治療法」の研究が進んでいる。最近では女子マラソンの元オリンピック代表選手が万引き依存症であり、治療中であることを公表し話題となった。
しかし今回の「ラグビージャージ」のような「衣服」がその対象となるのは極めて異例であり、世界的にも注目を集めることとなろう。厚労省の対策、予算の確保も急務となる。
日本依存症学会ではすでにWHOにも報告済。WHOとしては他国にこうした症例が無いかを調査したうえで認定の可否を決める方針という。関係者によると、他国に報告例がない場合、日本のみにみられる「風土病的依存症」との定義づけがなされるとの情報もある。
記者は「ラグビージャージ依存症」と診断されたKさん(60代男性・農業)に話を聞いた。

インタビューに答えるK氏
ーー依存症との診断を受けたきっかけは?
「市の定期健康診断ですね。いつも通りラグビージャージを着て行ったら、内科検診の担当医が興味を持って、いろいろ質問してきました。で大学病院でぜひ詳しい検査をしたいという事で県内のK大病院まで行きました。
ーー大学病院の検査はどんなものでしたか。
「県内外から30人ぐらいが来ていました。ラグビージャージを着た時と、ポロシャツを着た時、スーツを着た時に分けて、体力テスト、筆記テスト、心理テスト、後はグループトークでコミュニケーション能力を調べました。あ、アドレナリンの分泌量とかも測定してました。
ーー結果は教えられましたか。
「はい。ポロシャツ、スーツの時はどの検査結果もひどいもんでした。体力テストなど70代後半並みと言われましたから。
ーーラグビージャージを着た時は?
「体力テストは30代前半と言われましたね。他の検査項目は年齢には置き換えられないけど、数値換算すると、ラグビージャージを着た時は1.5倍から2倍程度能力が上がるってことでした。
アドレナリンの測定値もかなり上昇したと。
ーー驚いたでしょう。
「いえ、まあ自覚はありましたし。納得感の方が大きいです。」
ーー現在何かの治療は?
「まあ私の場合、職業柄服装は自由ですし、実生活に影響はないので特に治療は必要ないとのことです。ただたまに葬式とかあればラグビージャージってわけにはいかないので、事故など起こさないように医者からはリポビタンDのジャージキーホルダーを処方されました。ええ、これでも身に着けてると、ある程度禁断症状の抑止効果があるって話です。幻覚とかある重症の人にも一定の効果はあるらしいです。いえ、保険は適用されませんでした。」

ーー社会に訴えたいこととかは?
「この先患者が事故や事件起こしたとしても、病気なのでどうか温かい目で見て欲しいですね。
ラグビージャージさえ着てれば社会的に無害な病気ですから。だからこれからは社会のどんな職業でもどんな場所でもラグビージャージが着られる「ラグビーに優しい社会」になって欲しいです。
あと、ジャージキーホルダーの処方には健康保険の適用をしてほしいですね。」
<ラグビーに詳しいスポーツライター 藤島特大氏の話>
とても納得のいく症状ですね。ただこの患者たちを病気だからと排除する方向に考えるのではなく、むしろ「資源」として有効活用することを社会は考えた方がいいと思うな。ラグビージャージ着るだけで能力が1.5倍とかなるならまさにこれは「新たな資源」ですよ。労働力不足解消、少子化対策にも有効かもしれない。中高年の女性がラグビーファンになってジャージを着れば妊娠出産も可能かもしれないし。だから対策というより社会として推進する。ラグビーファンが増えればさらに資源の獲得になると。そう考えた方がいいですね、ドラマが生まれる。
<追記>
この記者会見の後、現在「襟付きラグビージャージ」で圧倒的シェアを持つ「カンタベリー・オブ・NZジャパン」社を子会社とする「ゴールドウィン」社と、ジャージキーホルダーを生産する「大正製薬」両社の株式は買い注文が殺到。最高値を記録した。