おとぶろラグビー夜話

ラグビーに関するあれやこれや。

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トップリーグは「日野レッドドルフィンズ」所属選手の「違法薬物逮捕」を受け、3月中24試合の中止を決定。「再発防止のための教育」のためという。「新型コロナ」との関連は明確に否定された。
ファンもチームもリーグも、誰にとっても不幸な今回の決定。どうしてこんな事になってしまったのか。
日野












日野は本来「被害者」の立場だった

そもそもの間違いは「彼」の違法薬物犯罪が発覚した時点での日野の対応だ。
企業スポーツには「広告塔」の側面がある。選手一人一人、特にプロ選手は「広告塔」を形成する者であり広告の出演者であるとも言える。
その広告塔が「犯罪・不祥事」を起こした場合、企業は当然「被害者」の立場となる。彼の犯罪のせいで「企業イメージ」が大きく損なわれたのだから。
CMの場合、出演者が「犯罪・不祥事」を起こせば企業イメージに多大な損害を与えるだけでなく「新CMの制作」など当面の実害も生ずる。
このため企業側はこうした場合、出演者側に損害賠償を請求するのが常識となっている。契約書にその旨、記されていなくても「損害が立証されれば」賠償は認められる。
日野も「広告塔の犯罪」にこうした対応をとるべきだった。
実際、普通に考えて日野・協会関係者ともにこの一報を聞いた時は思ったはずだ。
「なんて事をしてくれた!どうしてくれる!」
この「被害者意識」こそ正しい。

(実際に彼を訴えて損害を賠償させることができるのかは不明だ。多分こういうケースは前例がない。ただこの初動での声明は「裁判に勝利すること」が目的ではない。日野が自らの立場を世間に毅然と表明することなのだ。
たとえ社員選手であれ、業務上の犯罪ならともかく、その私生活上の犯罪に企業はなんら責任がないこと、も含めて)

日野の「活動自粛」が意味するもの
ところが日野はまず「お詫び」と「無期限活動自粛」を表明してしまった。
この時点で日野は「被害者」ではなく「共犯者」の立場を自ら選んでしまったと言える。
もちろん協会も含め内外から「日野の責任と反省」を求める声もあったのだろう。だがこれは毅然と拒否するべきだったのだ。自らが「被害者」であることを正面から論理的に説明すべきだった。
もちろん「被害者」とはいえチーム内において「共に活動する時間が多かった」と推測される「人脈」がある以上、捜査に全面協力する「社会的責任」は存在する。だがその場合の名目は「活動自粛」などではなく「捜査協力のための活動休止」がいいとこだろう。私の感覚では活動休止も必ずしも必要ではなかった。単に「捜査に全面協力」を表明するだけでよかった。
この「日野の決定」についてはもちろんその先例となったトヨタの決定も大きい。個人犯罪について「チームとしての反省と活動自粛」をこの時ラグビー界は容認してしまったのだ。

日野の「共犯者声明」により、「彼個人の犯罪」は「日野ラグビーの問題・責任」となる。こうなると話は悪い方にとんとん拍子だ。
彼個人の犯罪が日野ラグビーの問題・責任である以上、これはラグビー界の問題・責任となり、当然トップリーグも共犯者・責任者としての声明を発することとなる。「リーグの活動休止と反省の表明、教育の徹底」を表明する事になった。これが今回の決定だ。

(短期間に3人のトップリーグ選手が違法薬物で逮捕された事は「異常事態」ではあると私も思う。私が調べた限りではプロ野球やJリーグでは現役選手が違法薬物で逮捕された例などないのだ。(ドーピングは除く)
「新型コロナによる休止期間」で、できうる限りの「再発防止策」を講じる事には全く異論はない。ただその事と、選手・ファンに犠牲を強いる「試合中止」は全く別次元の問題である。)

そもそもこれは「ラグビー精神」で解決すべき問題ではないのだ
「危機管理は初動で決まる」とも言われる。本来「被害者」である立場を自ら放棄して「反省・自粛」など表明すればあとはもうぐしゃぐしゃ。
絵に描いたような「危機管理の初動の失敗例」である。
日野の関係者も協会幹部も「崇高なラグビー精神」を以って「社会への責任感・正義感・倫理観」を考え「真面目に」事に当たったのだろう。
「空前のラグビー人気」がその純粋な思いに拍車をかけたかもしれない。
だが危機管理の素人が「純粋さ」だけでこうした困難に向かい対応を誤れば結果はかくも悲惨だ。
なんの罪も落ち度もない一般選手はラグビーをする権利を奪われ、ファンはラグビーを観戦する楽しみを奪われ、協会・リーグは収益を奪われた。
のみならずラグビー界のイメージダウンは避けられない。
何しろ「薬物汚染はラグビー界の問題である」事を自ら表明したのだから。
誰にとっても良いことなど一つもない結果だけが残った。
スクリーンショット 2020-03-12 13.29.17この決定は太田チェアマン(写真)、森会長、岩淵専務理事の3人で行われ、異論はなかったという。
もちろん3人とも代表歴のある「元名選手」。だが「大組織の危機管理の専門家」などではない。

今回の反省を踏まえ、今後のため、まずできること。
「危機管理の専門家」を協会内に置くことだ。少なくともこうした場合「普通の弁護士」にだけでも相談していたらこうした事態は避けられたのだと思う。
「新型コロナ」が収まれば今季もトップリーグは続く、さらに新リーグへと続く。
今後またなんらかの犯罪者が出るたび、
間違った「ワンチーム精神」を発揮して「ラグビー界としての反省」「選手教育のため試合休止」など繰り返されるのはカンベンして欲しいのだ。

〈追記〉この問題を考えるにあたり「危機管理」という切り口でヒントを与えてくれたのはOさんでした。お礼申し上げます。この文章がOさんの意と沿うものであったかはわかりませんが。

満員










ラグビー人気爆発!
しかし競技場により、ばらつきがあるのが気になる

第6節終了。
が、「新型コロナ」でひと休み。
これまでは空前の観客数でラグビー人気爆発!
という喜びがある一方、「いやいや人気など爆発していない。5節では長居に2万人入っても神戸ユニバには5千人しか入っていない。王者神戸製鋼の試合であるにもかかわらず。」って声もある。まあかつてなら5千人入れば上出来だったが今やそれでは喜べないのも事実だ。さらには「夢の島」2試合や「相模原ギオンス」では2千500〜3千500人。人口4千万首都圏でこの数字は確かに少ない。
だがこれをもって「ラグビー人気に早くも翳りか」ってのもどうか。
とはいうものの、この現象の原因は考える必要がある。日本に真の「ラグビー文化」が根付くためにも。

「プロ野球人気爆発」はいつからなのか

日本における「人気スポーツ」といえば何といっても野球。見るのもプレイするのも、長く圧倒的人気を誇ってきた。
プロ野球は戦後一貫して日本の「国民的スポーツ」だった。
・・と思われがちだが実はそうでもない。少なくとも「見る」ことについては。
以前は、特にパ・リーグの試合などは内外野ガラガラで、スタンドではアベックがいちゃついてる映像が「プロ野球ニュース」で抜かれたりしていたもんだ。
川崎球場野球そっちのけで「流しそうめん」やるやつもいた。(写真)
日本シリーズですら「阪急・巨人戦」など西宮球場のスタンドは空席だらけ。
こうした事情はセ・リーグでも実はそう変わらなかった。
巨人戦だけは満員だったりしたがそれ以外は。まあパ・リーグよりはマシ、という程度の観客数だった。日本中どこへ行っても子供達の野球帽はYGマーク。それしか売っていなかった。(いや大阪がどうだったのかはしらないが)
この頃は「球団経営」は「収益など期待すべきものですらなく、社会貢献である」とまで言われたものだ。もちろん球団経営者に。

こうした「巨人におんぶに抱っこ」状態を脱却させたのがパ・リーグ球団による「地域密着戦略」だった。
1978年、経営不安定だったライオンズを西武が買収、埼玉への移転、西武球場建設を皮切りに、ダイエー(現ソフトバンク)が福岡に、ロッテが千葉に、日本ハムが北海道に、そして「新球団・楽天」が仙台・東北に拠点を構え、かつ各球団が事実上の「専用球場」を持つ。
それぞれの「移転」には当時「それは無理だ」との危惧も強かった。だがやってれば大成功。すべての球団が地域密着を進め、ファンサービスに努め、観客数を増やし「収益」を上げ、「地域の文化」となった。
これに伴いセ・リーグも「地域密着」を志向。球団の移転はなかったものの、各球団はそれまでなかった「地域名」を球団名に付ける動きが加速する。
カープ女子「東京ヤクルトスワローズ」「横浜DNAベイスターズ」。中日、阪神はまあもともと「地域名」的な名前ではあったか。
もちろん元祖は広島の「赤ヘル旋風」。
セ・リーグ球団の地元市民もパ・リーグファンの盛り上がりに気づいたはずだ。
「地元チームを応援するって楽しい!!」
いや地元でなくてもいい。
「ひいきチームを決めて応援するのって楽しい!」
こうした流れの中で現在の「プロ野球大人気状態」がある。

野球帽はもちろん応援チームのものをかぶる。

Jリーグが日本に新しい「スポーツ文化」をもたらした。
その後発のプロ球技、Jリーグは発足当初からこうした地域密着理念を掲げた。初年度参加クラブは、現存するチームの「実績」よりも「各地域分散路線」をリーグが主導、というか川淵氏主導で推進。そのあおりを食って、実績はあるものの他クラブとホームが重なるヤマハ(後のジュビロ磐田)・ヤンマー(セレッソ大阪)・日立(柏レイソル)・フジタ(後の湘南ベルマーレ)、は初年度Jリーグ落選。一方なんの実績もない鹿島や清水がJの「オリジナル10」となる。
当時は「落選組」からは相当不満が噴出したはずである。
しかしあれから27年、茨城の人口4万5千の田舎町だった鹿島は今や有数のサッカータウン、収益は70億円という。
またプロ野球が12球団固定、一時は縮小案まで出ていたのに対し、Jリーグは拡大路線。
どんな小さな町でも「身の丈」でクラブ運営し。成功する実績を作ってきた。
クラブ数はJ3まで、北海道から沖縄まで54を数える。
設立当初「夢物語」だった「Jリーグ100年構想」にある「日本全国に100クラブ」も見えてきた。
各クラブにはジュニアクラブの設置が義務付けられ、女子クラブの運営も推奨される。
各会場では代表選手がいなくても、優勝争いに関係なかろうとも、代表が思うような結果が出せなくても、サポーターで埋まる。
日本における「スポーツ文化」を今までにない形で開花させた。
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(写真はJ3のさらに下、JFL・FC今治の満員の観客席。今治タオルがはためく)
もちろんさらに後発のbリーグもこの路線を行き、順調な成長を見せている。

「おらが町のクラブ」で日本に「ラグビー文化を」
で、ラグビーである。私は間違いなく今「ラグビー人気の爆発」であると思う。
だが冒頭で記したように観客の入りはばらつきがある。これでは「日本の文化」になったとは言えない。
もはや理由は言うまでもないだろう。
ラグビーファン人口は確実に増えた。日本人の多くが「ラグビーの面白さ」に気づいた。が、私も含め「ただのラグビーファン」は好カードに流れる。まして同地域で「優勝争い」のカードと「下位争い」あるいは「勝敗の見えたカード」が重なれば当然「ただのラグビーファン」は「優勝争い」を見に行く。
冒頭で紹介した、第5節の試合で観客数「2万人前後」から「数千人」の差はまさにこの表れである。
ラグビー人気の「爆発」から「定着」へ、「どの会場もファンで溢れる」状態を産むには、「おらがチーム」のファンの開拓・定着が欠かせない、ということだ。
各試合、現状のような「協会・リーグ主催」「1会場2試合」などを続けていてはその「理想」は遠ざかるばかりである。
そのための基本路線となるのが「地域密着」と「チーム主体の試合開催」。

「プロリーグ」とは何か
来たる「新リーグ」。ラグビー人気定着のためにも、私はぜひ「プロリーグ」としてスタートしてほしい。
反町だが「プロリーグ」の定義は必ずしも「全選手のプロ契約」などではない。Jリーグも当初は「社員選手」が複数いた。のちに複数のクラブ、五輪代表などで監督を歴任し、手腕を発揮する反町康治(写真)だってはじめは全日空の「社員選手」だった。
(ただしプロ契約を望む選手には希望が叶えられる環境は整備してほしい)
そんなことよりも「プロリーグ」の定義は「各クラブが各試合を主催・運営し収益をあげること」だ。
「収益を上げるため」にファンサービスを考える、ファンクラブを充実させる、地元ファンと一体となったクラブ作りを進める。地域自治体との協力を強化する。そのやり方は地域の特性、クラブの特徴に合わせ様々であることが求められる。「協会・リーグ主催」ではこれができない。だからこそのプロリーグ。
こうした「成功しているプロリーグでは当たり前」のことを「ラグビー新リーグ」でも展開すれば、ラグビーも、「スター選手の有無」「代表の活躍」「優勝争い」に関わりなく各会場ファンがつめかけるのは確実であると言える。たとえ隣の会場でスター選手たちが「優勝争い」を繰り広げていても、「自分のチーム」の応援に行く、好きな選手を追っかける。

さらにはクラブ数の拡大。日本中でラグビーファン、ではなく各クラブファンが各会場に詰めかける」「おらが街のクラブを応援する」
「プロラグビーチームなんか都会でなけりゃ無理さ」
そんな声も聞かれる。そんなことは絶対にない。鹿島アントラーズを見よ。他のJクラブ、bクラブを見よ。今までサッカーとかバスケとか見たことない地元のおっちゃん・おばはんが孫を連れて地元チームの応援に行く。
日本にはまだJbもない中小都市がいっぱいある。新ラグビーチームが参入する余地はいくらでもある。もちろんJbと重複したって構わない。

新リーグの参入要件、これだけは死守せよ

来る「新リーグ」の参入要件には幸い以下の項目が上げられている。
・チームが「事業機能」を持つこと。
・チーム名に地域名を入れること。
・ホームエリアを持つこと。
・2023年までに1万5千人収容のホームスタジアムを確保する。そのためチーム・協会・リーグが支援する。

欲を言えばこれに「下部組織(ジュニア・女子チーム)の運営」も入れたいところだがまあとりあえずはいい。今のトップリーグチームや大学クラブにはジュニアチームを運営しているところも少なくないようだ。自主的にできているなら「参入要件」に入れる必要もない。
私はこれで充分であると思う。これができれば立派な「プロリーグ」だ。
(この概要が発表された後、記者から「これはプロリーグですか」と質問された岩淵専務理事、「それはプロリーグの定義によりますが・・」と答えたという。
これはいけない。新しいものを始める時リーダーが曖昧な物言いをしてはいけない。きっぱりと「プロリーグです」と言うべきだった。上記の理由を掲げて。)

ただしこのうち一つでも欠ければ「新リーグ」は大失敗に終わる可能性もある。
どうか、今の「ラグビー人気」を「ラグビー文化」へと導く「新プロリーグ」にしてほしい。
現在の「代表人気」「スター人気」「優勝争い」だけに支えられた「ラグビー人気」は下手すりゃバブルで終わる。
観客席はまたガラガラになることもあり得る。
「そうめん流し」やるやつはいないと思うが。

トヨタ・サントリー戦は第5節屈指の好カードと思われた。
が、終わってみればトヨタまさかの惨敗。
これはいったいどうしたことだ。
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あの「強いトヨタはどこへ行ったのか
この2年、トップリーグ・日本選手権と、そこには間違いなく「強いトヨタ」がいた。神戸製鋼・サントリー・ヤマハと並ぶ「新4強時代」の到来を印象付けたものだ。
そして今年さらに上へ。そういう試合になるはずだった。
だが試合はサントリーの強さ・上手さ・スピードばかりが目立ち、トヨタはほぼ「引き立て役」であったと言っても過言ではない。
個々のプレイはそう悪くはなかったと思う。もちろん甘いタックル、つまらないハンドリングミスはあった。がそういう個別のプレイが惨敗の原因だとは思えない。大勝サントリーにだってもちろんミスはあったし。
この試合のメンバーも今年からウィリー・ルルー、マレ・サウが加わり去年より「強化」していると言える。(全盛期をすぎたと思っていたマレ・サウだが今期キレッキレだったし。)
何が悪かったのか。
シロウトの私には残念ながらよくわからない。

ラインオフサイドが多すぎる
ただ気になることが一つ。
特に前半、ラインオフサイドがやたら多かった。実際にペナルティ取られたのは4つぐらいだったかもしれないが他にアドバンテージ中にサントリーのトライに繋がったものもあった。さらにはレフェリーは取らなかったものの、画面上からは明らかに「立ち位置」からオカシイのが見て取れた。解説藤島大氏も「トヨタのラインオフサイド気味」はしきりに気にしていた。
これはやはり異常である。
ラグビーのペナルティは各種ある。スクラムの反則や、事故的に生じた「危険なタックル」などはナンボ意識しても防げない場合もある。
けれど、ラインオフサイドなど本人・チームが気をつければ防げるものである。それができない。何度も繰り返す。敵ゴール前で直接PK失点になったものも2つ。
(後半早々、小原の「幻のトライ」につながったルルーの飛び出しはオフサイド覚悟の「起死回生プレイ」であったと思う。これについては「規律」の問題ではないのだろう。が、そもそもあんなプレイを選択するしかなかったチーム状態であることをルルーも感じていたゆえなのだろう。)

ジェイク・ホワイト「今年は優勝」しかなかったはずが・・
トヨタといえばもともとが地力はあるものの、よく言えば「豪快・おおらか」、悪く言えば「大雑把」な試合をするチームだった。ま、優勝を狙えるチームではなかったということだ。
それが2017年、南アのW杯優勝監督ジェイク・ホワイトが監督に就任するや新人姫野を主将に抜擢。トヨタを2年連続ベスト4に導いた。
間違いなく「優勝を狙えるチーム」への大変身だったと言える。
ところがホワイトは昨シーズンで退団。後任はサイモン・クロン。相談役にはなんとオールブラックス監督だったスティーブ・ハンセンという豪華な布陣。トヨタファンとしてはホワイトが残したものの上にハンセンらがさらに上積み、姫野・茂野・木津ら代表組はさらなる成長、さらにルルー、キアラン・リードら世界的プレイヤーを加え絶対優勝、という期待しかなかったと言える。去年より弱くなる要素など何もなかった。
だがこの日の惨敗。

またもや「優勝になど届かないチーム」に後退したとしか思えない試合ぶりだっった。
ラインオフサイドすら制御できない「大雑把ぶり」に今年のチーム力が現れていたのだと思う。
ブレイクダウンからの被ターンオーバーの多さも異常か。記録上は8。これもサントリーが上手かったと言うよりブレイクダウン時のトヨタの「大雑把さ」が目に付いた。

日本選手権に期待する・・?
残念だ。
優勝争いができるチームは多いほど見る側は楽しみが増えるし。今期は東芝も復活して5強時代の到来を喜んでいたのに。
もはやトヨタのトップリーグ優勝はないだろう。
が、日本選手権の開催・日程が正式に発表された。まずはトップリーグ4位を目標に日本選手権での「大復活」に期待する。
・・・しかないか。

ファンの間で、とかく物議をかもすレッドカード、そして出場停止処分。
トップリーグ第4節終了時点において「3試合以上の出場停止処分」は5件。
西川(サントリー)、アーノルド(ヤマハ)、プル(ホンダ)、クリシュナン(日野)、そして坂手(パナソニック)。
処分理由は、
「ボール保持者の肘打ち」が3件、「密集での頭頚部へのショルダーチャージ」が2件。なんにせよ、ファンにとって、選手当事者達にとって残念な数字である。
ちなみに昨シーズンはリーグ戦全56試合で「出場停止」「厳重注意」ともにゼロ。レッドが1。
https://www.top-league.jp/ranking/2018/foul.html
今年の「異常さ」が際立つ。もちろんこの「急増」は先のW杯で「新基準」が示されたものの、現場選手の意識が追いついていないことによる。
ここでは今シーズンの「レッド相当の危険なプレイ」と「処分」の実態を検証し、今後の対応を考える。

西川レッド











出場停止処分の裁定は協会規律委員会が下す

こうした裁定について、時にレフェリー・TMOへの批判がされる場合がある。
「これでレッドは厳しすぎるんじゃねーの」
「このレフェリーおかしいよ」「TMOどこ見てんだ」ってやつだ。
確かに試合中の判定については現場のレフェリー陣により決定がなされる。
しかし試合後の「出場停止」などの処分は「協会の規律委員会」が裁定を下す。上記5件の中には試合中にはレッド、イエローの判定が下されなかったものの、試合後「委員会」の判断により「出場停止処分」が下されたものもある。アーノルド、プルの2件だ。ともに「ボール保持者の肘打ち」。
実際、特に早い動きの中での「肘打ち」などは「一瞬の出来事」で近くにいても誰も気づかず、プレイ後のアピールもなく過ぎていく事もあるようだ。もちろんテレビ中継の放送席でも誰も気づかない。やられた「被害者」だけがわかる。

肘打ちでKOしたダン・カーター、淡々とコンバージョンを決める
アーノルドの肘打ちの「被害者」はダン・カーター。
肘打ち食らってダウン。その間に神戸ナエアタがトライ。
カーター、しばらくうずくまっていたが顎を押さえつつ立ち上がり、淡々とゴールキックを決めていた。
このアーノルドの肘打ち、他の「出場停止」が全て3試合なのに対し、この件だけ「4試合出場停止」
他の「肘打ち」が正面の相手に対し、いわば「突破」しようとする「勢い余って」と見られるのに対し、アーノルドは横から来たカーターに対し、ハンドオフのような体勢で肘を出している。さらに相手が「ダウンした」という「被害の大きさ」で、その分、処分が重くなったということなのだろう。
カーター1カーター2























「レッドカードは自分のスキル不足のせいだ」坂手

処分は「規律委員会」が繰り返しビデオを検証し、裁定したものである。こうした「レッドなし・試合後の重い処分」をみれば、処分内容の「妥当性」についてレフェリー・TMOの判断を批判することの無意味さがわかるだろう。試合中の判定が及ばず裁定が「重くなる」ことはあっても、TMOを経た上での判定が「重すぎた」ことなどないのだ。
もちろんレフェリーだって「レッド」なんか出したくて出すわけじゃない。

実際今回私も5件全て見直してみたが、W杯時に世界に示された基準に全て合致したものであったと言える。
(今年のこの「テレビ放映が少ないご時世」でなんと5件全てテレビ放映された試合だったのはラッキーというべきなのか)
「肘打ち」にしろ「密集で頭頚部へのショルダー」にしろ「悪意」はないにしろ「意図・自覚」はあったと見られる。
坂手も「自分のスキル不足」表明している。
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/rugby/news/CK2020020202100083.html
他の選手も同じ思いであると信じる。坂手レッド













「レッド相当プレイ」は試合をぶち壊す

私にとっての「レッド問題」は裁定の是非ではない。
勝敗の行方への影響の大きさだ。
イエローのように10分間の問題なら工夫でしのげる。
がレッドの場合、特に試合開始早々のレッドは試合の当事者達にとっても試合前の綿密なゲームプランなど吹き飛んでしまう。
もちろん見る側にとってもがっかりである。好勝負への期待はぶち壊し、と言っても過言ではない。その処分が正当なものであれ。
(もちろん「ぶち壊し」の後は気持ちを立て直して、14人側がどう戦って行くのか、を観戦のテーマにしてゆくのだが)

レッド撲滅の対策は「判定を甘くすること」ではない
だからレッドカードは減らして欲しい。いや無くして欲しい。
だが「レッドカードを無くす」ための対策は「判定を甘くする」ことではもちろんない。
そんなことをすればラグビーという競技の安全性が保たれないだけではない。
国内リーグでレッドの判定を甘くすれば、選手のプレイにその癖が染み付き、いざ大きな国際試合で日本選手はレッドカード連発を喰らう可能性もある。

レッド撲滅の対策は技術の向上だ

レッドを無くすための対策は「レッド相当のプレイ」を避ける意識・準備・技術の向上、これに尽きる。
これはある意味「トライをとる技術」「トライを防ぐ技術」以上に重要な準備だ。
幸いというか、これまでのこの5件に「危険なタックル」は含まれていない。「危険なタックル」に関しては各チーム・選手が自覚し、少なくとも「レッド相当」のものは防いでいると見ていいのだろう。「ハイタックル」も「空中の相手へのタックル」も「下半身持ち上げ叩き落としタックル」も。これらの「危険なプレイ」はプレイヤーが十分な自覚を持てば少なくとも「レッド相当」のプレイは避けられうるスキルレベル・意識レベルにトップリーグプレイヤー達はあると言えるようだ。
同様に、この5件に見られる「肘打ち」「頭頚部へのショルダーチャージ」も「スキルと意識の向上」で「レッド相当」は十分避けられるだろう。

一つ興味深いのはこの5人、皆、中堅ベテランクラスの選手達ということだ。「若手の未熟さ」が生んだ反則ではない。
今まで「巧妙なプレイ」「ファイトあふれるプレイ」として許され評価されていた癖が抜けていないということなのか。
「若手にできて中堅ベテランにできない」ってことはない。後は意識と訓練の問題なのだろう。

レッドのない試合が見たいのだ
いくらなんでもこれまで4節で「出場停止」5件は多すぎるだろう。

全選手のスキルの向上、チームぐるみ、リーグぐるみの対策を望む。1週休みの「バイウィーク」はレッド対策の準備には絶好の期間だ。この5件のビデオを繰り返し見て学習するのも有効だろう。
「レッド撲滅」はチームの成績をあげる、ファンが喜ぶ試合が見せられる。いいことずくめだ。当然「イエロー」も減るだろう。
トップリーグ、残りの試合、レッドゼロを望む。
15人対15人の真っ向勝負が見たい。全ての試合が「歴史的好勝負」であって欲しい

【追記】「レッド撲滅」の対策としてここでは「選手・チームによる対策」に重点を置いた。
が、やはり専門家である「レフェリー陣」の対応にも期待したい。
動画・ネットを有効に活用し、日頃から「反則基準の明確化」、「出場停止事案」については事後の懇切丁寧な説明等を行っていただきたい。
こうした活動が必ず「レッド撲滅」につながるだろう。


【資料】
以下、5件の出場停止処分をまとめてみた。
時間も記してある。録画がまだある方は「現在の基準」をご自身で検証することをお勧めする。
内容文については「トップリーグ
公式サイトhttps://www.top-league.jp/news/に基づく。

西川 征克 (サントリー)

第1節 東芝戦。 前半29分
ブレイクダウンにおいて相手選手がジャッカルを試みている際、当該選手が腕を使わずショルダーで相手選手の頭頸部に直接コンタクト。3試合。



リチャード・アーノルド(ヤマハ) 
第2節 神戸戦。後半4分58秒
ヤマハゴール前7m付近でボールを持ったヤマハ5番リチャード・アーノルド選手がボールを持っていない左手の肘で、神戸製鋼10番の顔面(顎)・頸部に肘打ちを行った。 4試合。

オーガスティン・プル(日野)
第3節 トヨタ戦。 後半40分49秒
トヨタ陣バックスタンド側10m付近。日野#12 オーガスティン・プル選手が、ボールを持っている右手側の肘を上げて、ディフェンスに入ったトヨタ自動車#21の頸部/顎をヒットした。3試合。

『蛇足コメント』

本来SHでNZ代表経験もあるプル。この日はチーム事情でセンターでの先発。負け試合の中での後半終了間際の「トライにつなげる肘打ち突破。これは凄みがあった。肉弾戦も負けないSHとしてW杯で注目を浴びた南アのデクラーク。プルもその点で決して引けを足らないことを証明した「プレイ」だった。
あ、いや、こんなプレイ褒めてはいかんのだが。ホントは即レッド。良い子はマネしないでね。

ディネスバラン・クリシュナン(日野)
 第4節 ヤマハ戦。 後半37分
日野レッドドルフィンズ#5の選手が、肘を畳んで相手の頭にチャージした。3試合。

坂手 淳史(パナソニック)

第4節 キャノン戦。 前半3分
パナソニック ワイルドナイツ#2の選手がボールキャリーする際、左腕を突き出し、相手の頸部に直接コンタクトした危険なプレー。3試合。
クリシュナン レッド











【補足】福坪龍一郎(サニックス)が第1節後「出場停止1試合」の処分を受けているが「カップ戦における事案」との「連動」による。
リーグ戦のプレイが「レッド相当」ではないのでここでは触れない。
福坪の件についての「トップリーグ公式」の説明は以下の通り。
福坪龍一郎 第1節 NEC戦
「2019年度シーズンにおけるトップリーグカップ2019で出場停止処分を受けており、その後、同シーズンでのイエローカードの提示となり、トップリーグ規約第73条、表彰懲罰規程第11条(「懲罰のガイドライン」参照)に基づき、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会規律委員会に上申し、審議の結果、下記の通り処分が決定しましたので、お知らせ致します。」


帰化して「日本人」になった元オールブラックス、ロス・アイザック。帰化前の名前は「アイザック・ロス」。両親が元ニュージーランド代表というまさにラグビーのサラブレッド。201㎝。
ロスアイザック2












トップリーグには多くのこうした「帰化選手」が在籍する。
W杯代表でいえば、ヴァル・中島・具・トンプソン・リーチ・ヘル・ツイ・ラファエレ・レメキ等など。当然彼らはトップリーグで「日本人」として常時出場できる。
ロスもこれからは所属する「NTTコミュニケーション」で「外国人枠」ではなく常時出場できるのだな。
ロスの、あの、でかくて、時にSHのように俊敏なプレイがこれからは常時見られるのは楽しみ。
と思っていたのだがそうではないようだ。


トップリーグの「外国人枠」は外国人とは限らない?

第3節のクボタ戦。ロスは後半途中から出場。同時にオーストラリア代表・リアリーファノが退出。これについて「BS日テレ」解説の大畑氏、
「外国人枠の都合ですね」。
ええ〜それって変じゃん。ロスは日本人なのに。大畑、わかってないのか〜。
と思ったが、考えてみる。
この「他国の代表歴のある外国人枠2人」って正確には「日本代表にはなれない選手」てことなわけだ。ロスの場合日本人になってもNZ代表歴がある以上、国際ルールで日本代表にはなれない。
てことはあくまで「外国人枠」として扱うということなのか。日本人であっても。

「トップリーグ規約」見たら確かにその通りだった。(資料参照)

ロスは2017年に日本国籍を取得しているが、私がこれまでこの問題、気にならなかったのは、去年Nコムには他に「他国の代表歴のある外国人」がいなかったからなのだな。その前年には南ア代表のヤンチースがいたがロスと合わせて二人。「枠」を超えようがなかった。ロスはほぼ先発出場していたと思う。
今年、リアリーファノと南ア代表マークスがNコムに加入して、この「枠」該当選手が3人になり「やりくり」が生じたというわけだ。

「トップリーグの出場資格」って、日本人のロスにとってはは意味不明だ
ロスが日本代表になれないのは「国際ルール」である。これには合理的理由がある。もちろん日本独自で変更などできない。
だが、「トップリーグの出場資格」はトップリーグで決められる規則。
ロスは「日本人で常時出場可」でいいのではないか。
と思ったら、規約では「但し」がついて、「2016年8月31日以前に」この枠にいた選手は「日本国籍選手として試合に出場することができる」のだそうだ。(資料
参照)
ヒーナン・ダニエルこの「2016年規定」に該当する選手としてはオーストラリア代表歴のあるヒーナン・ダニエルがいる。ヒーナンは2014年に日本国籍取得。パナソニックで「文句なし」日本人枠で出場している。
さてこの「2016年規定」、「日本国籍取得後、例えば3年で他国代表歴のある選手もトップリーグで日本人枠で出場できる」と言う意味なのだろうか。ロスの帰化は2017年。来年度にはこの規定が改定されて「2017年」になればロスも晴れて「日本人枠」で出場できるということなのか。

この辺なかなか細かい。そもそも日本人になったのならソク「日本人枠」でいいではないか。まあシーズン中ではややこしいのでせめて翌年から、で。
この該当者が何十人もいて「日本代表資格者」の出場枠が減ると言うならこの規制も必要かもしれない。ただこの場合も、「外国籍選手枠」などというべきではない。「外国籍」などではないのだから。「他国代表歴選手枠」というべきだろう。(注1)
ともかくこの「2016年規定」、ロスだけに適用されるものだ。日本を愛し、日本国籍を取得し、家族とともに日本に居住し、子供たちを日本の小学校に通わせる「日本人ラガー」を「外国人扱い」する理由ってあるのか。

〈追記1〉
ロスのごく親しい友人から連絡をいただいた。(下記コメント欄の方)その方によると、「2016年規定」は固定であり更新されることはないのだという。つまり他国代表歴があり日本人になってもトップリーグで「日本人枠」で出場できるのはヒーナンで「締め切り」ということだ。(もう一人、元トンガ代表、神戸のアンダーソン・フレイザーも)
もちろんこんなことはどこにも「明文化」されてなどいない。あくまで「内部情報」。確認のしよいうもない。来年度の規約が公表されればわかるか。


ロスアイザック2「元オールブラックス日本人」の活躍が見たい
日本では外国人が結婚や血縁によらず日本国籍取得するのって大変なのだ。
「出場枠」や「就職」目当ての「打算的帰化」など日本では認めない。従前の国籍を保持しつつ新たに国籍を得る「二重国籍」は多くの「先進国」で認められるが日本ではダメ。犯罪歴があったり、税の滞納があったり、その他素行不良が認められればダメ。
「日本語力」も含め「日本国籍取得」には「本当に日本人になる資格・覚悟があるのか」が法務省により審査される。(注2)


ロスや「ボーク・コリン雷神(注3)」、そして上記「帰化選手」達は、はこういう「厳しい日本人テストに合格」したってわけだ。完全な日本人。
その「日本人」にトップリーグでこれ以上の「枠・規制」はいらんよなあ。
まして「他国代表歴」を持って来日、帰化条件である5年以上居住した選手といえば、まあ年齢は30歳前後。選手としては晩年に当たる。残る数年の選手生活を、愛する日本で日本のためにトップリーグでプレイする。もちろん彼のプレイ・経験は敵味方問わず他のトップリーガーや学生・子供達の素晴らしいお手本となる。そこにブレーキかける意味ってあるのか。
「元オールブラックス日本人」の活躍は常時見たい!

〈追記2〉
ある方がこの記事を見て自らのFacebookでシェアしたところ、その「パパ友」であるロスの目に止まり、その方が日本語に翻訳してロスに見せたという。ロス、この記事を大いに気に入ってくれてた上、自らのSNSでシェア。このことはラグビー関係者にもほとんど知られていないので、まずぜひみんなに知って欲しいのだそうだ。
そのシェアをまた別のロスの友人が見て私に連絡をくれた。
「2016年規定」についてはその方からの情報。
というわけで、この記事、改めて、「拡散希望」です。
もちろん「私のため」などではなく、「ロスのため」、「現在・将来日本でプレイする来日ラガーのため」、「日本のラグビー界全体のため」、さらには「日本社会の幸福のため」、です。


《補足1》世間の一部ではこうした人々を、決して「日本人」とは呼ばず、「日本国籍を取得した外国人」みたいな表現が使われたりする。これ、言葉として間違ってる。「日本国籍を取得した人」は「日本人」。逆に米国籍ノーベル物理学賞の南部陽一郎氏は「米国人」。
「先住国民」と「帰化国民」を区別したいなら「〜系」を使えば良い。南部陽一郎氏は「日系米国人」。ロス・アイザックは「NZ系日本人」。


(注1)ボーク・コリン雷神の「7人制でNZ代表歴」の扱いについてはここでは触れない)

(注2)以前Jリーグ川崎フロンターレにジュニーニョというブラジル人ストライカーがいた。
W杯南ア大会前に「日本に帰化して日本代表に貢献する」と宣言してサポーターを沸かせたが「日本国籍取得」は叶わなかった。この時点で日本に5年は居住していたが日本語がほぼダメだったためだという。そもそも親善試合とはいえ「ブラジル代表歴」があったため「日本代表」にはなれなかったとの説もあるが、ロス・アイザックなど、日本代表になれなくても日本人になるという「日本愛」があったが、ジュニーニョにはそんなものはなく単に「どこでもいいからW杯に出たい」という「打算的場当たり帰化申請」であったと言われてもしょうがないだろう。
日本サッカー協会からの「特例要請」もあったかもしれないが、先述したように日本国はこういう特例「帰化申請」は認めない。

(注3)ラグビー界では帰化すると登録名も実名に伴い「名姓」から「姓名」に変わる。
さらには本人の希望で漢字名が添えられたりする。この旧「コリン・ボーク」は「ボーク・コリン雷神」に。今回の代表プロップは「ヴァル・アサエリ愛」その他「カウヘンガ桜エモシ」とか「ロトアヘア・ポヒバ大和」とか弟の「ロトアヘア・アマナキ大洋」とか。ただしこれ、ヴァル以外はみんなリコーの選手。誰が流行らせたんだか。まあ日本人になったからには漢字使いたいんだろうな。

【資料】トップリーグ規約
第35条
4.日本代表選手の資格がない日本国籍選手及び特別永住権を保有する選手の扱い
他国代表歴及び他国セカンドシニア代表歴を有する日本代表選手の資格がない日本国籍選手及び特別永住権を保有する選手は、代表歴を有する国の選手と同様に外国籍枠選手、アジア枠選手として出場する。また、5 月末及び 11 月末に日本国籍選手として登録した選手が、登録日以降に他国代表歴及び他国セカンドシニア代表歴を有した場合、そのシーズンは日本国籍選手として出場することができるが、翌シーズンは代表歴を有する国の選手と同様に外国籍枠選手、アジア枠選手として出場することになる。但し、2016 年8 月 31 日以前に、他国の代表歴及び他国のセカンドシニア代表歴を有し、日本国籍選手として登録した選手は、日本国籍選手として試合に出場することができる。

《補足2》ただこの規約、なかなかわかりにくい。最後の「但し」部分の日付がどの文にかかるのか。私の解釈が間違っているのならご指摘いただきたい。
《補足3》


上記規約は
https://www.top-league.jp/wp-content/uploads/2019/05/kiyaku_2019.pdf
ただ「トップリーグ公式サイト」の「規約」にはこの「35条4」が見当たらない。

http://archive.top-league.jp/about/kiyaku/2012/a/03.html
そもそも「強豪国代表歴のある選手が日本人になる」などと規定作成時に想定もしていなかったのだろう。
「ヒーナンのせい」で慌ててこの規定を追加したか。で、追加したものの、このサイトの「改正作業」をしていないものと思われる。
この辺りでもこの「規約」の「場当たり的いい加減さ」がうかがわれる。

〈追記3〉
その後ロスや多くのファンはトップリーグ日本協会に規約の改定を求めたが認められず、「外国人」との名称は見直す、だけとなった。ロスはNコムを退団。NZでプレイを続けている。
「いつか必ず日本に帰ってきます。私のホームですから。」

トヨタの新ジャージを見たらミュンヘン五輪男子バレーチームを思い出してしまった。
トヨタ男子バレー2








男子バレーが国民的人気スポーツだった頃
1972年のミュンヘン五輪の前後、男子バレーの松平監督、大古・横田・森田・猫田・島岡らのスター達は日本人みんなが知っていた。
大会前には「金メダルへの道」という「ドキュメントアニメ」が毎週テレビ放映され、「国民の期待」が煽られたものだ。
準決勝ブルガリア戦の大逆転勝利を経て「有言実行」の金メダル。
男子バレーは間違いなく国民的人気スポーツだった。
今、男子バレー選手の名前一人でもあげられる人が何人いるだろうか。私でも二人ぐらいか。西田、清水・・。
あの人気は結局「強さ」だけに支えられたものだったと痛感する。弱くなれば一般人は見向きもしない。Vリーグの「平均入場者数」も減少の一途をたどる。

現在の「ラグビー人気」を支えているもの
さて空前のラグビー人気。
「金メダル」は取れなくても代表の「強さ」がこの盛り上がりを導いたのは間違いない。
リーチ、稲垣、福岡、松島、姫野らの名前はすっかり有名になった。
このままさらに強くなりさらに人気が定着して欲しい。
ただ「勝負の世界」、いいことばかりじゃない。
今回準優勝のイングランドも前回は「自国開催でプール戦敗退」という屈辱。今大会のNZの準決勝敗退、スコットランドのプール戦敗退も「屈辱」であったろう。
日本もそういうことが今後あり得ることは覚悟しておきたい。

問題はそこで「ラグビー人気」しぼんでしまうのか、だ。
「強さ」や「一時的感動」だけに支えられた人気であるなら、当然男子バレーと同様の運命をたどる。


国内リーグの充実こそ永続的人気を維持する
一方サッカーなんか決して「金メダル」や「優勝」を勝ち取ったわけではない。ロシア大会では決勝トーナメントに進出し盛り上がったが、その前ブラジル大会では期待を裏切りグループリーグ敗退。今回のU23アジア選手権も惨憺たる成績で終わった。
だがサッカーは「代表」がどんな成績であろうと人気を維持している。Jリーグ各会場にサポーターが溢れる。J3ですら。
現在J1〜J3で46クラブ。入場者数も今年歴代最多を記録した。
バスケ代表なんてもっと弱いけどBリーグは確実に「草の根ファン」を増やしチーム数も増え続ける。現在B1・18チーム、B2・18チーム。入場者数も3年連続増。チャンピオンシップは全試合満員。

「国内リーグの充実」こそ競技スポーツの人気を支える柱であるということだ。ファンにとって魅力ある「国内リーグ」、応援したくなるクラブ。選手にとって魅力のある「国内リーグ」。入団したくなるクラブ。
これらが充実していれば「競技人気」は「代表の成績」に振り回される事はない。

「ラグビーは今のままでいいじゃないか、人、集まってるし」って声もある。
そうなのか。この人気は「代表」が結果を残せなくても続くのか。
「ラグビーの面白さを日本人は知ったのだ」って声も聞こえてきそうだ。
それは事実だろう。
ただ、だからと言って「生活の中の限られた時間と金をラグビーに使うか」、はまた別の問題。
メデイアが「限られた時間と紙面をラグビーに割くか」も同様。
このラグビー人気を維持・拡大するためには人々の他の娯楽、「生活に割く金や時間」等を押しのけてでも見たくなる、関わりたくなる、存在にならなければならないのだ。
メデイアにとって他の事件や情報を押しのけてでも報道したくなる存在にならなければならないのだ。テレビ局にとって、他の番組を休んででも中継したくなる存在にならなければならないのだ。
ラグビーが。

「国内ラグビーリーグ100年構想」を

新リーグの中身が少しずつ聞こえてくる。
はじめは100点満点でなくていい。
ただ「Jリーグ100年構想」に負けないだけの大きな、長期的なビジョンであることを期待する。
「目先の収支」「目先の力関係」「現状の追認」による「妥協の産物」などではない。
「100年先に日本でラグビーがどうであって欲しいのか、どうあるべきか」から逆算しての現在位置の策定。
新リーグ設立の目的はあくまで「ラグビーが日本の文化になる」ためのものでなければならない。

冨樫バスケットボールBリーグ「千葉ジェッツ」の冨樫勇樹選手の年俸が1億円を超えたことが発表された。
会見によれば「総収益17億円のうち冨樫選手の『貢献度』が1億円に相当するか、などの『細かい計算』などはできないという。とにかく今バスケをしている子供達、これからバスケをしようとする子供達へ『夢』を与えるため、そして日本のバスケ界の将来を考えて「千葉ジェッツ」島田代表と冨樫選手が「話し合って」決めたのだという。そしてそうした理由ゆえにあえて開いた「記者会見」であると。
「プロ化」後もバスケ界では「年俸」の話題などは出なかったが、あえて「仕事・職業」としてのバスケであることを改めて表明したかったのだと。
夢のある、ポジテイブな、バスケへの愛情溢れるいい会見であった。

さてラグビー。
トップリーグに日本人1億円プレイヤーが誕生する日は、いつかくるのだろうか。

「トップリーグに今後とも1億円プレイヤーが誕生しない理由」が聞こえてくる

これについて「できない理由」を挙げるのは簡単である。こういう声も多いだろう。
1. 日本の社員トップリーガー達は年俸は少なくても大企業の大卒正社員として「生涯収入」は十分多い。したがって選手は「一時的年俸だけが多いプロ化」など望んでいない。ムリムリ。
2.試合数が違う。毎日でも試合ができるバスケと基本週一試合のラグビーでは年間試合数がそもそも違う。したがって入場料収入も違う。したがって選手への配分も少ない。ムリムリ。
3. 選手の数が違う。5人で1チームのバスケと15人のラグビー。控えを考えても1選手あたりの「収益配分」はやはりラグビーは圧倒的に少なくなる。ムリムリ。
4. そもそも世界的市場規模が小さいラグビーは一流選手でも年俸は多くはない。スーパースターと言われる選手でも1億超えは多くはない。それが日本人選手などとてもムリムリ。 
5. そもそも「完全プロリーグ」など企業が望んでいないし協会も力量がない。「完全プロリーグ」ができない以上「1億円プレイヤー」などムリムリ。

どんなことでもそうだが、「現状できていないこと」について「できない理由」を挙げることはなんと簡単なことか。
しかしそれを言っていてはJリーグもBリーグも誕生しなかった。
「現状の平均入場者数は」
「現状のテレビ視聴率は」
「現状の企業における予算は」
「現状の競技人口は」などなど。できない理由はいくらでも挙げられたはずだ。

そもそもプロバスケリーグの成功など誰が予測し得たのか

バスケ冨樫選手のニュースに立ち戻る。
そもそも4年前に日本にプロバスケリーグができ成功すること、これほど盛り上がること、まして3年目で日本人1億円プレイヤーが誕生することなど、誰が予想できたのか。
バスケ界に近い人・詳しい人ほどそんなの「ムリムリ」と思っていたのではないか。
であるからこそFIBA(国際バスケットボール連盟)に「統一リーグ」を勧告されても2つのリーグは主導権争いに明け暮れ何も決められなかった。
「だってそんなできもしないプロリーグのために我がリーグの主導権は渡せないさ。」

「1億円プレイヤーなどムリムリ」を検証する

何か新しいことをはじめようと思えば「できない理由」を挙げるのではなく、「できる根拠」を考える事こそ建設的である。だが「できない理由」を無視するべきではないのは当然である。そのためにはやはり「できない理由」を一つ一つ消していかねばならない。その作業が必然的に「できる根拠」に繋がっていくだろう。
まず1.について。「プロ化など選手が望まない」のか。
人間には様々な価値観がある。
「安定した収入で生涯を送りたい」と考える人間もそれはいるだろう。
Jリーグ発足当初もこんな先行き不透明な日本のプロリーグになど人生を預けることはできない」と社員選手を続けたプレイヤーもいた。現「松本山雅」監督の反町康治氏なども当初は全日空の社員として横浜フリューゲルスの選手だった。
反町だがそれらの選手も「「Jリーグの安定と繁栄、そして魅力」を見届けた上で退社。「Jリーグ専従」となる。
その反町氏、現役引退後は新潟・五輪代表・湘南・松本などの監督を歴任。「若手の育成」と「予算の乏しいチームの強化」に実績を残している。
現在はそうした「社員選手」はいないと思う。J2以下では知らないが。

トップリーグも当面それでいいと私は考える。「安定と生涯収入」を優先して「社員選手」を続けるのもよし、「完全プロ契約」を選ぶもよし。トヨタのように「代表級の選手は現役中はプレイに専念、引退後は社業に復帰」という形も選手にはありがたいだろう。ただこの場合「プロ並み」の年俸ではないと思うが。
ただもし「完全プロリーグ」化が進み、これが成功し、選手側に選択権があれば選手側はおのずと「完全プロ契約」を望むのではないか。他の成功したプロ球技は皆そうなっている。
「未確認情報」によればパナソニックは全員プロ契約だという。「有望新人」をじゃかじゃか集められるのもそこに原因があるのではないか。やはり「有望な自信のある選手」にはプロ契約が魅力なのではないか。

プロ化において比較すべきはバスケではない

2〜3までについて。
「試合数が少ない」「競技人数が多い」事についてはいわば15人制ラグビーの「宿命」である。変えようがない。であるならば世界中どこでもプロリーグなどできようもない。だがもちろんプロリーグは存在する。今年からは米国カナダのプロリーグも誕生。NECの滝沢の加入が話題となっている。という事は、「日本でラグビーのプロリーグが実現するか」を考えるとき、比較すべきは国内のバスケなどではなく、国外のプロラグビーだろう。これと比較して、「実現しない日本の事情」があるのか。
なお、あえてバスケとの比較をすれば、競技場の大きさ、つまり1試合の入場者数、入場料収入はサッカーやラグビーのほうがはるかに大きい、人さえ入れば。つまりプロ化には有利であるとの一面もあると言える。バスケの体育館など大きくても数千人から1万人。サッカー・ラグビーの競技場なら数万から5〜6万人が収容できる。

4の「市場規模」についてはラグビーの「宿命」ではないにしろ「現状」ではある。世界が市場であるサッカー、北米という大市場を持つ野球・バスケ・アメフト・アイスホッケーなどの球技に比べて市場が小さいのは確かだ。だがこれにしろ現に海外ではプロリーグが成り立っているのだから「致命的な問題」ではありえない。
ただしこれら「巨大市場」を抱える競技のスーパースターのような「年俸数十億円」はまあラグビーには無理だろうが。ラグビーの歴代最高年俸はジョナ・ロムーで6億5千万。

あらゆるビジネス展開において、重要なのは「市場規模」の検証である

日本は人口1億3千万、GDP世界3位・5兆USドルの経済大国である。
この二つは市場規模の大きさを表す。
例えば今回のバスケの例にしろ、同じ計画・運営を人口5千万、GDP1.6兆USドルと日本の半分以下の隣国韓国で行いバスケ人気が同等だとしても、数字だけ比較すれば収益は半分以下、したがってどう考えても1億円プレイヤーは生まれない。まあチーム数の調整で、ある程度の「誤差」は解消できるだろうが、およそどんなビジネスであれ対象エリアの「市場規模」の概念なしに計画など立てられないのである。
観光地でもない過疎地でどんなに美味いラーメン屋を開いても儲からない。
逆にターミナル駅の「駅ナカ」であればソコソコのラーメンでも繁盛する。そういう事だ。

作家・村上龍氏によれば先進国で人口「1億人超え」というのは作家にとっても実に都合の良い数字だそうだ。そこそこいい作品を母国語で書いてそこそこの作家が食っていける。
これが人口5千万の国ではよほどのベストセラーを連発しないと作家では食っていけないという。小国で食える作家を目指せば「英語で書く」しかない、とか。
あるいはサッカーの世界。南米の一流選手はなぜ皆ヨーロッパでプレイするのか。
南米は確かに人口ではヨーロッパに負けてはいない。しかし市場規模のもう一つの要素、経済規模においてヨーロッパには到底及ばない。
入場者数で引けを取らなくても、入場料収入、スポンサー収入、グッズ収入、放映権料などでヨーロッパが圧倒する。その配分は選手にも回り、南米出身の選手はヨーロッパで「サッカー長者」となる。


「ラグビー大国」の市場規模を検証する
ラグビー大国の人口を見てみる。
そもそも人口1億を超える先進国など日本と米国だけであると断った上で、
英国6600万、南ア5600万、オーストラリア2400万、NZとアイルランド共和国にいたっては共にたった470万。
最大の英国でも日本の半分。
つまり日本でもラグビーが、「人気スポーツ」として認知されさえすれば市場規模は他の「ラグビー大国」と比べて圧倒的に巨大であり「伸び代」も圧倒的だということだ。
南半球の「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」4カ国の人口合わせても1億3千万で日本並み。GDPも4カ国合わせて2.5兆USドル。日本の半分以下である。
つまりラグビーの市場規模において南半球4ヵ国合わせても日本より小さいのである。
北半球「6ネイションズ」は合わせればはさすがにヨーロッパ、6カ国合わせれば人口、GDPともに市場規模は日本より大きいが。
なんにせよ一国のラグビー市場は日本はダントツ。もし日本に「本格的プロラグビー」が参入すれば、ラグビー関係者にはコントロールのしようも無い「市場規模」においては全く問題が無い。
チーム数や試合数でバスケと比較しても意味が無いことがわかるだろう。比較すべきは他の「ラグビー大国」。ラグビーがビジネスとして成り立っている国々。
逆から見れば、フィジー・トンガ・サモアなどの「ラグビー強国」はその人口・経済規模どちらの要素をとっても「市場規模」があまりに小さく、食える「プロリーグ」が存在しえない事がわかる。

日本ラグビーの未来を損なう外部的「宿命や現状」など存在しない


結局問題はそこなのである。競技人数や試合数、市場規模など、ラグビーの「宿命や現状」については問題などないか、日本はむしろ他国に比べて有利である事がわかる。
そして問題点の5。これだけが残る。
つまり協会や各企業・チームにその気があるのかどうか。つまり成功の可否はラグビー関係者にのみ委ねられている、という事だ。外部的要因などではなく。
ラグビーを「人気スポーツ」として定着させる具体的展望と戦略。これがあるのかどうか。

もともとラグビーは、「見るスポーツ」として、ひと昔前は日本でサッカーよりもバスケよりも人気スポーツだった。国立競技場を満員にできる競技など他になかったし、松尾・平尾・大畑などのスター選手はちょっとしたスポーツ好きな日本人は皆知っていた。プロ発足前のサッカー、バスケではそんな選手は大昔の釜本ぐらいか。バスケの田臥の知名度になるとそこまでいかないかも。
つまり日本で人気スポーツにならない理由はない。

ここで「競技としての国際的強さ」も当然問題となろう。
私も以前は「プロリーグの成功」にこの要素は不可欠だと考えていた。
しかしBリーグの成功は、その競技の「国際的強さ」は必ずしも必要条件ではないことを証明した。リーグ繁栄のための「具体的展望と戦略」さえあれば、プロリーグは成功する。
観客・ファンが応援できるチームを持ち会場でテレビで地域で熱狂出来る環境さえあれば、そしてもちろん選手たちが懸命なプレイをすれば「とりあえず」国際的強さなど二の次なのだ。
そして「競技の国際的強さ」は後からついてくる。
あの弱小男子バスケットはBリーグ3年目、ワールドカップ予選で4連敗から8連勝。、21年ぶりのワールドカップ出場、44年ぶりのオリンピック出場を決めた。

サッカーにしろ、ワールドカップ初出場を果たしたのはJリーグ発足の後だった。

「トップリーグの日本人1億円プレイヤー」は、果たして・・・

繰り返しになるが、あとは協会・運営企業による今後の「具体的展望と戦略」があるのかどうか、これに尽きる。そしてもちろん「実行力」。
お手本はJリーグ・Bリーグがある。最初はモノマネで全く構わない。
25年のノウハウが蓄積されたJリーグから経験のあるスタッフを招くのも有効だ。
そしてトップリーグの将来に向けた「具体的展望と戦略」を立てこれを「実行」する。
それさえあれば日本ラグビーの「完全プロリーグ化」は実現し成功する。
それさえあれば「日本人1億円プレイヤー」は決して「夢物語」ではない。

福井翔太2














高卒トップリーガー
福井翔大


「強豪国」では「大学生世代」がチームの主力にいるのは普通である。

国際試合やスーパーラグビーの中継などで、20歳そこそこの選手が主力として活躍していたりする。
これを実況する日本人アナが「この選手、日本で言えば、大学2年生ですからねえ。」とため息まじりの実況。答える解説氏も「そうですねえ、こういうの強豪国では普通ですからねえ。」と羨望のコメント。
よくある光景である。で、終わり。
ちょっと待った。
なぜ強豪国では「20歳そこそこの選手が中心として活躍するのか、日本ではそうならないのか」、ちょっと考えればわかる。いや関係者は皆ホントは判っているのに言わない!

伸び盛りの「大学生世代」をどう過ごすべきなのか

答えは簡単である。日本では高校から大学を経てトップリーグに入るのがお決まりのコースでそれ以外は実質ない。からだ。
18歳から20歳過ぎの、ある意味アスリートとして一番の伸び盛りを大学で過ごすのかトップリーグで過ごすのか、その成長度には、普通に考えて格段の差があるだろう。
代表やトップリーグチームの「中心」となりうる「才能」にとって「大学生選手」はいわばみんな「格下」かせいぜい「同格」だ。その中で日々練習をし、また試合をする4年間。
一方で18歳でトップリーグに入れば周りはみんな格上、チームメイトにも対戦相手にも日本のトップ選手どころか、今は世界のトップ選手がいたりする。そういう中で日々練習をし、また試合をする毎日。
どちらが「代表級の才能を持つ選手」にとって成長を促すのか論じるまでもない。
もちろん個人差はある。どのジャンルにも「遅咲きの才能」というのは存在して、プロ野球でも、大学や社会人を経たからこそ後に大輪の花を咲かせた、という選手もいるだろう。背伸びして18歳でプロ入りしなかったからこそ成功をおさめたのだ、と。もちろんそれはそれでよい。

プロ野球・サッカーは高卒が主流である
ちなみに現在のプロ野球、あるデータにより全選手を見ると高卒選手317人、大卒選手230人だそうだ。ラグビーのような「お決まりの、たった一つのコース」ではない野球界の自由な進路としてはまあ妥当な所なのだろう。ただやはり高卒の方が約1.5倍多いところは留意したい。
(ちなみにこのデータでは他に高卒社会人55人、大卒社会人113人、その他22人とある。)
もちろん数の比率だけの話ではない。高卒入団後数年で(つまりは大学世代で)チームの主力になる選手が多数存在することは皆さんご存知の通り。
私の世代だとやはり入団2年目の江夏が奪三振新記録401を作ったのが強烈な印象として残る。この年25勝、26完投。19歳で完全に「日本のエース」だった。
(追記・新しいところでは今年高卒2年目、19歳のヤクルト村上が現在セリーグ打点王。)
ただし野球でも十代でチームの主力になるのはやはり例外で、この時期はまず「体作り」。
ラグビーの場合その競技の特性から、野球以上に十代でチームの主力になるのはかなり困難だとは思う。野球以上にまず「体作り」。

サッカー界も見てみる。今度は全然別のデータ。
先日のアジアカップ日本代表メンバー。
惜しくも準優勝に終わったが特に準決勝のイラン戦など今後に大きな期待を持たせる戦いぶりだったといえる。
その代表23人に追加召集の3人を加えた26人。大卒プレイヤーは東口・シュミット・室谷・塩谷の4人のみ。長友・伊東・守田・武藤は大学に進学しているが在学中に「特別指定選手」になりJリーグチームに所属し練習をし試合にも出場している。
ここでは「学歴」の話をしているのではないので「大卒プレイヤー」に加えるべきでないのは当然である。
さらにあの大会を通じて皆が認めたレギュラー11人、プラス10番を与えられながら負傷離脱した中島を加えた12人を見ると全員が高卒。さらには高校の部活選手上がりではなく早くからJクラブの下部組織で育った選手も多数いる。
「年齢的に大学生世代」も3人か。まさに球技のチームスポーツの世界標準であるといえよう。
少し前なら柱谷・名波・井原・中山ゴンなど大卒選手が主力に多数いた時代から見ると隔世の感がある。

高卒ラガーだってやれるぞ
日本ラグビーのこうした傾向はムカシからのものである。ただ以前は「新日鉄釜石」という例外があった。松尾・森両氏の大学スター以外は皆地元東北出身の高卒選手。彼らを鍛え上げての7連覇はまさに偉業であり高卒選手の希望でもあった。こうしたユニークかつ実績を上げたチームは現在見当たらない。
(追記・今年釜石のヘッドコーチに就任したピアースが「地元の高卒選手を育てたい」としている。「釜石の伝統復活か」と今から楽しみではある。)
サニックスで高卒からクラブチーム経由(あるいは自衛隊経由)の選手が活躍しているのはうれしいが、これはまた違うレベルの話。他クラブでも高卒選手はいないわけではないが主力ではない。一昨年豊田自動織機で「高卒キャプテン」をしていた高田には注目していたが釜石に移籍したそうだ。

そんな中、去年、東福岡高校のキャプテン福井翔大が大学に行かずパナソニックにプロ契約入団した。かねてより上記の思いを抱えていた私にはとてつもなく喜ばしいニュースだった。
福井自身この道を選んだ理由としてこう述べている。
「同世代のアイルランド代表と対戦して力の差を感じた。
彼らはこの後プロに進む。そしてまた力をつける。これ以上差をつけられないためには自分もプロに進むべきと感じた。」
日本社会は一つ前例ができれば一気に動くことも少なくない。他チームもパナソニックも引き続き高卒選手のスカウトに動くだろう、高校生側もこれに応えるだろう。
と思っていたのだが、今年はどうなったのだろう。私の情報収集力では何も聞こえてこない。

御所実業のメイン平がNZに留学するという話のみだ。もちろんこれはこれで喜ばしい。がんばってほしい。
だが父がNZ人の彼の例は松島幸太郎などと同じくあくまで特別な環境下での選択であって、残念ながら日本のラグビー界の普遍的な前例にはならない。

もちろん私は「有力選手を大学になど行かせるな」と言っているのではない。自らの人生設計の中で、あるいは保護者との話し合いで「大学進学」も選択肢の一つである。
ただその場合サッカーの「特別指定選手」のような形で在学しながらトップリーグに入団することは充分に可能だろう。実際2年前だか筑波大の山沢は在学中にパナソニックに入団した。これは当時あまりに「異例」であったが、これが「異例」ではないようなシステム作りも求められる。

高卒トップリーガーの行く手を阻害するもの
今年、あるいはこれ以降、福井翔大に続く者が出ないとしたらその原因は何なのだろう。
「高卒プロラグビー契約などという訳のわからん世界より、マトモな人生設計として、皆、大卒社員ラガーを希望しているのだ」という考えもある。実際、福井の母親も将来を考えて「進学」を勧めたとはいう。だが福井は「高卒プロ契約」を選択した。
またパナソニックに有力選手が集中するのも全員「プロ契約」だからだという話もある。
そうなのだ。他の競技にしても「才能とやる気がある選手」はやはり「プロ契約」を望む。そしてその気概なければもちろんプロとしての成功はおぼつかない。
そう考えると「高卒プロ」が広がらないのは決して「人生設計」などのせいではないと思われる。
それよりは、高校生選手、協会、メディアそしてファンにこびりついて離れない「大学ラグビー大好き感覚」、ではないか。日本ラグビーでは長年大学ラグビーが人気の頂点を支えてきた。
たしかに高校の有力選手が皆トップリーグや海外にいったら大学ラグビーはだいぶさびれてしまうのは避けられないだろう。大学野球がプロ野球と高校野球に挟まれて目立たない存在であるように、あるいは大学サッカーが同様の位置づけであるように、大学ラグビーはトップリーグと花園の間に埋もれてしまう運命が待っている。
だが将来の日本のラグビーの発展と強化のためにどういう選択がいいのかはもはや論じるまでもないだろう。
あとはその「理想的選択」のために何をすべきか、を決定するだけである。
従来通り、企業チームと選手の「自由な選択」に任せるのか。
あるいは協会が主導して日本ラグビーの強化・発展のために「高卒トップリーガー」が生まれやすい環境を整備するのか。
前述した「学生トップリーガーも選択肢として提示できる環境」「セカンドキャリア」「契約形態」などを総合的に模索し一つの「形」を提示できるのか、である。
それとも「大学ラグビーの人気と感動」を維持するために、高校生が直接トップリーグ入りする道は従来通り限りなく狭くして、選手の強化は二の次、代表の強化は来日外国人選手任せにしますか


そうではないだろう。
「福井翔大に続け!」


【追記】
プロ入り後1年を振り返って福井翔大のインタビューが先日放映された。
「濃厚な一年でした。何もかも歯が立たなかった。」
「何も追いつけない状態にショックを受け続けて、辛いことも多かったけど」
「素晴らしい環境に入れて幸せだった。」
彼の目は、この1年をプロとして過ごしたことの「自信」と、未来への「希望」に輝いていた。

【追記2】2022.3月
その後も高卒有望ルーキーのトップリーグ・リーグワン入りは報じられない。
ただ李承信は20歳で帝京大を中退、コベルコ神戸スティーラーズに入団、2年目の今季は堂々のレギュラーを獲得している。
またメイン平同様、高卒後日本の大学を経ずにNZにラグビー留学、帰国後リーグワン入りという流れもわずかだが見られるようになった。
藤井達哉(宗像サニックスブルース→NECグリーンロケッツ東葛・SH)は20歳でトップリーグデビュー。
日野レッドドルフィンズの北原璃久(久我山→オタゴ大)や吉川遼(久我山→ワイカト大)なども今季は先発出場を果たしている。









やれやれ、宗像サニックス残留。
かつてはトップリーグに3チームあった九州勢も危うくゼロになるところだった。九州人としてうれしい。順位決定トーナメントで最後の2試合勝ち抜いたのが大きかったな。
入れ替え戦、相手が2部4位の栗田工業とはいえ、久しぶりにサニックスのイキのいい試合が見られた。
それにしても藤井監督、代表の仕事はやめてサニックスに専念してほしいなあ。連敗中のチームを置いて代表の遠征に帯同、最後に自分のチーム1勝とかじゃシャレにならんよ。じゃなかったらサニックスの監督は他に譲る。

ところでカーウィン・ボッシュ21歳。
まだあどけない笑顔で5トライ、ゴールキックは10/11。
来年もサニックスに来てね。

ボッシュ

ヤマハ














ヤマハはいいチームだなあ。

大学のスターを揃えるでもなく、強豪国の50cap以上のスターを揃えるでもなく、今年も優勝争いに食い込んできた。今年特に目立ったのが、両ウィングの新外国人。ラブスカフニとトゥイプロトゥ。このポジションで「必死に戦う姿勢」を表現するのってなかなか難しいと思うのだが、この二人は見事にこれらを表現していた。
当初、伊東力や田中渉太・矢富弟を差し置いて新外国人を使うのは不満だったが、二人のプレイを見て納得。
清原も太田尾の後継として成長した。パスのフォームとかそっくりになった。時に果敢な突破を見せるのも魅力だ。
13番の宮沢・小林「小柄な日本人」にこだわるのもいい。この頃外国人枠も増えて、両センター、スタンドオフ3人とも外国人てチーム多いもんなあ。
クリシュナンもすごいロックになってきた。この間どっかのウィングに後ろから追いついてタックルしてたぞ。
クワッガ・スミスは別格か。
ああ、ヤマハを褒めだしたらとまらない。
そうかー。清宮監督辞めちゃうのかあ。残念だなあ。
こういう「ヤマハの力」ってどう考えても「清宮の力」だもんなあ。ま、決まったものはしょうがない。清宮辞めてもヤマハはヤマハであり続けて欲しい。
清宮氏の今後を楽しみにしよう。

秦一平














お、2部の試合をJスポーツでやっとるぞ。何、「トップチャレンジリーグ」?ああ、去年から2部も全国リーグになったんだったな。
うわ、近鉄vs.ドコモかあ。
この2チーム、2部落ちするようなチームじゃないんだよなあ。
確か去年はリーグ戦で6勝とか4勝とか十分な成績上げてたんだけど、最後の最後、一番大事な試合に負けて、2部落ち。残ったのはリーグ戦全敗のコーラと、1勝のサニックス。なんだかなあ。
そりゃあ、九州人としてコーラとサニックスがトップリーグにいるのはうれしいけどう見ても力不足だもんなあ。今年の試合も相変わらずだし。どことやっても勝つ気がしない。
まあいいや。この試合だ。
おお、秦一平が先発だ。去年はベンチからかベンチ入りもしてないことが多かったなあ。もう今年は出番ないかと思ってた。先発かあ。すげえなあ。153㎝。
明治でレギュラーだったのもスゴイし、そもそもあの体で明治でやろうってのがスゴイと思っていた。でもトップチームでプレイするのは大学までだろうなあ、と思っていたらトップリーグにまでチャレンジ!スゲエよなあ。もう7年目だって。
おお、フィルヨーンもまだいたのか。この人頼りになるんだよなあ。 顔は無愛想だけど。でも試合後ファンのスマホで自撮りしてたりしてなかなかほほえましかったり。あと、途中交代の時、日本式にグラウンドに一礼したりするのも好ましい。異文化への敬意だよなあ。
え、トンプソン・ルークは欠場かあ。残念。
佐藤幹夫はコーチ?引退したのかあ。痩せたな。
野口大輔はベンチスタートかあ。去年レギュラーに定着して今年はさらなる飛躍を、って期待してたのに。外国人枠が増えて、バックスも、スタンド・センター・フルバックほとんど外国出身者ってチーム多いよなあ。そりゃ実力本位で言ったらそうなるんだろうけど、伸び盛りの日本出身バックス出る幕ないなあ。神戸の重一成や清水とかトヨタの竹田とか、コーラの石垣・猿楽とか。
金哲元もベンチスタートか。SHも外国人増えたなあ。一方でパナソニックみたいに代表クラスのSH3人もそろえて小山とか出番なしだもんなあ。小山来年は移籍してほしい。
さあキックオフだ。豊田も元気だ。ミフィポセチ元気だ。シリヴェヌシここに来たのかあ。おお、ドコモの新外国人ウィング早いなあ。しかしあれじゃあ追いつかれるな。追ってるの11番だし。ひゃー、振り切った。何?スルンガ・ラリー・スティーブン?20歳?次々すごいのが出てくるなあ。
ひゃー、マシレワなんなんだー。そういえば去年の近鉄の6勝もこの人が稼いだようなもんだったなあ。
秦一平、追いついたー。すごい。えー、そのままジャッカル―!なななんと。まるで福岡堅樹だ。今日の秦一平すごい。かつてはどうしてもただのパスマシーン感があったけど完全に一皮も二皮もむけたなあ。

うーん、白熱したいい試合だった。


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