おとぶろラグビー夜話

ラグビーに関するあれやこれや。

2019年04月

オフロードパス、といえば今やラグビーの醍醐味の一つと言っても過言ではないだろう。
だがオフロードについては解説者の見解が分かれてオモシロイ。
どうにもオフロードが好きじゃない人がいる。
オフロードパスでミスでもしようものなら、
「こういうフィフティ・フィフティのプレイをしてはいけませんね。やはりタックルされたらきちんとダウンボールして次につなぐべきですね。」とか。
この人にとってオフロードはソニービルみたいな超一流のプレイヤーのみに許される特殊なプレイなのだろう。やるんだったら失敗するな、と。
でもどんなプレイでも失敗はつきもの。
ソニービル
そこへいくと後藤翔太氏の解説は納得がいく。
直接オフロードに触れたものではないが、地力が劣るチームが、その上リードされている時の打開策としてこんなことを言う。
「ここで打開するにはもう“針の穴を通すようなプレイ”を試みて成功させるしかありませんね。」
そうなのだ。弱いチームがなおかつ負けている時、逆転しようと思ったら5分5分のプレイでもダメなのだ。1分9分のプレイでもそれを選択すべき時がある。もちろんその選択によってさらに点差を広げられるリスクは当然ある。
それはチームの選択だ。このまま無難にソコソコの点差で負けるのか、あえてリスクを冒してでも逆転勝利を狙うのか。
だから後藤氏の解説は面白い。
去年は日野のコーチになって解説聞けなかったのが残念。
この人の解説でラグビー中継見るのは人生の楽しみの一つと言ってもいいんだけどな。

もちろんオフロードそのものは5分5分のプレイでも1分9分のプレイでもない。的確な練習を積んで的確に選択・プレイすれば他のプレイと同様、十分成功率の高いプレイとなりうる。
オフロードがうまい選手は同時にオフロードを「思いとどまる」のもうまい。
タックルされる、味方が来る、オフロードパスを出そうとする、だがここで敵にパスコースに入られるなど不都合が生じる。ここでぐっとパスを思いとどまってモールやラックに切り替える。このプレイもしびれる。オフロードが成功した時と同じくらいに。
ヘタクソな選手はこれができない。自分の都合とタイミングだけでボールを放してしまう。で、失敗して「オフロード嫌いのコーチや解説者」に叱られることになる。
日本では未だこんな「場当たり」的な「苦し紛れ」的なオフロードも多いように見える。
成田2
そんな中、「明治⇨サントリー」のウィング・成田秀平のオフロードはいい。明らかに練習を積み自分がタッチライン際でボールを持った時にすでにオフロードの準備がしてある。そしてタックル「させて」内側にフォロウに来た味方に余裕のオフロード。成功率100パーセントか。
あのプレイは好きだった。ソニービルみたいなアクロバテイックなあるいは変幻自在の華麗なプレイではないけれど成田ならではのプレイだった。
いや「好きだった」などと過去形でいうのは、サントリーなどという「ウィングの激戦チーム」に入ってしまって、出場機会が少ないから見る機会も少なくなってしまったから。
成田、もっと見たい。
あれ、成田のオフロードの画像が見つからない。ソニービルのはたくさんあるのに。
「成田のオフロードはいい」とか騒いでるの私だけ?

秩父宮ラグビー場で先日、Jリーグカップの試合が行われた。
サッカーの公式戦は東京オリンピック以来、という。
秩父宮の「ラグビー以外での使用例」についてはこのほか、なでしこU20が練習場として使用した事、アイドルグループNEWSや乃木坂46が音楽イベントを開催した事、などがウィキペディアには記されている。
なるほど。
みなさん秩父宮のあの「暗い過去」については触れたくないようだ。あるいはご存知ない。

ゴルフ練習場1973年だかの改装工事まで秩父宮ラグビー場は「打ちっ放しゴルフ練習場」でもあったのだ。いつからかは知らない。
(写真はイメージです。でもまさにこんな感じだった。)
私は別に「ラグビーの聖地」を他の用途に使わせるな、などという趣旨でこれを書いているのではない。サッカーだろうと他の競技だろうとコンサートだろうと秩父宮がお役に立つ事、ラグビーファン以外が秩父宮に馴染んでくれる事、賃貸料が協会に入る事は良い事だと思う。
(えっ?秩父宮の管理は「日本スポーツ振興センター」だからラグビー協会には賃貸料は入らないのかな。まあそれはともかく。)
他の競技、他のイベントに使用される場合、特設のベンチ・座席・ステージなどが設けられる。そして用が済めば撤去される。ラグビー場に戻る。当然である。
しかしゴルフ練習場の設備は常設だった。
現在の伊藤忠ビル側の、当時で言えば間ビル側のゴール裏にずらりと打ちっ放し設備が並んでいたのだ。当時、ゴール裏には観客席は無かった。
国際試合だろうと日本選手権だろうと大学選手権だろうと、そちら側のゴール裏は「ゴルフ練習場」。トライは「ゴルフ練習場」を目指す。ゴールキックも「ゴルフ練習場」に向かって蹴り込む。
日本代表がイングランド代表と6−3の接戦を演じた名試合も年代的にこの環境下で行われた事になる。ラグビーとゴルフの母国であるイングランドの選手たちはどんな思いで「日本のラグビーの聖地」を見ただろうか。(さすがにイングランド戦にはゴルフ練習場は隠したという事もありえるが私は知らない。)
またバックスタンドに向かう観客も「ラグビー場内ゴルフ練習場」を通って行く。
これは「ラグビーの聖地」として悲しい光景だった。

いや私はこの方針を決めたであろう当時の協会幹部を責めるつもりなどない。秩父宮といえば戦後の荒れ果てた時代、用地もラグビー関係者が見つけ、資金もラグビー関係者が集め、労働力も「手弁当」でラグビー関係者が足を運び作り上げた、という。
当時の協会幹部といえばまさにその当事者達か、直にその経緯を知る者達であったはずだ。そんな彼らがラグビー協会の収入を上げるため、その収入でラグビーの強化・普及・発展に役立てるため、ゴルフ練習場を設ける。
私なんぞには想像もできない苦渋の選択であったのだと思う。

それは認めつつ、あれはやはり「悲しい景色」だった。当時の日本におけるスポーツの立ち位置、なかんずくラグビーの立ち位置が「悲しい」。
その「悲しい歴史」はやはり「記録」に留めておくべきであろうと思うのだ。
スポーツの日本における「悲しい立ち位置」は現在は変わったのか、という思いも込めて。

【追記】「西の聖地・花園にも最近までゴルフ練習場があったという。だが花園はそれまで近鉄という「私企業」による設立・所有・運営だった。一私企業によるこれだけのラグビー専用施設をこれまで維持してきた事についてはただ敬意を表すのみである。そのための「ゴルフ練習場の運営」もラグビー場維持のための「経営努力」として敬意を表したい。
さすがに今の時代、限界がきたのだろうか。花園は東大阪市の所有となった。(運営は民間に委託)
改めて近鉄の長年の功績に感謝するとともに東大阪市の決断に敬意と感謝を表したい。



日本依存症学会は1日、記者会見を開き、中高年のラグビー経験者の間に「ラグビージャージ依存症」が広まっていると報告した。

症状としては、「ラグビージャージを着ていないと仕事など日常生活が送れない」「着た時だけは通常の1.5倍ほど能力が向上する。」「だが脱いだ後は無力感・倦怠感に襲われ、さらにはイライラ感が高じ、他者への対応に寛容さが薄れ攻撃的になる。重症者は幻覚・幻聴も見られる」など。
患者は基本的にラグビー経験者、特に以前の「襟付き・長袖・綿素材」でプレイした中高年に限られる。最近の「襟なし・化繊・半袖ジャージ」世代の経験者には見られないという。
ただ最近はプレイ経験のない男性ラグビーファンや女性にも症例が見られるとの報告もあるというが、年代的にはいずれも中高年。推定患者数は1万人を超える。


今回の発表に際しては学会内で、「禁断症状」が明確に発現するので、「依存症」と認定すべき、との意見がある一方で、現在のところ「実害」がないため「学術的認定」には慎重意見があったという。だが「禁断症状」がある以上、これが発現した時に事故・犯罪を誘発する恐れがあることは否定できない、との意見が大勢を占め、社会的啓蒙啓発の意味も込め認定し今回の発表に至った。
名称については当初、「競技スポーツ着依存症」の仮称が付けられ、格闘技を含め各競技団体の協力を得て調査が進められたが、ラグビー以外には統計的に有意義な症例は一切報告されず、「ラグビージャージ依存症」の名称が確定した。


「依存症」といえば以前は薬物のほかアルコール・タバコ・ギャンブルなどの「嗜好品」が対象とされてきた。昨年はネットゲームもWHO(世界保健機構)により「依存症」として登録もされている。近年はこれに加え、万引き・DV(家庭内暴力)・性暴力などの「犯罪行動」も対象と考えられるようになり、「治療法」の研究が進んでいる。最近では女子マラソンの元オリンピック代表選手が万引き依存症であり、治療中であることを公表し話題となった。
しかし今回の「ラグビージャージ」のような「衣服」がその対象となるのは極めて異例であり、世界的にも注目を集めることとなろう。厚労省の対策、予算の確保も急務となる。
日本依存症学会ではすでにWHOにも報告済。WHOとしては他国にこうした症例が無いかを調査したうえで認定の可否を決める方針という。関係者によると、他国に報告例がない場合、日本のみにみられる「風土病的依存症」との定義づけがなされるとの情報もある。

記者は「ラグビージャージ依存症」と診断されたKさん(60代男性・農業)に話を聞いた。
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インタビューに答えるK氏

ーー依存症との診断を受けたきっかけは?
「市の定期健康診断ですね。いつも通りラグビージャージを着て行ったら、内科検診の担当医が興味を持って、いろいろ質問してきました。で大学病院でぜひ詳しい検査をしたいという事で県内のK大病院まで行きました。
ーー大学病院の検査はどんなものでしたか。
「県内外から30人ぐらいが来ていました。ラグビージャージを着た時と、ポロシャツを着た時、スーツを着た時に分けて、体力テスト、筆記テスト、心理テスト、後はグループトークでコミュニケーション能力を調べました。あ、アドレナリンの分泌量とかも測定してました。
ーー結果は教えられましたか。
「はい。ポロシャツ、スーツの時はどの検査結果もひどいもんでした。体力テストなど70代後半並みと言われましたから。
ーーラグビージャージを着た時は?
「体力テストは30代前半と言われましたね。他の検査項目は年齢には置き換えられないけど、数値換算すると、ラグビージャージを着た時は1.5倍から2倍程度能力が上がるってことでした。
アドレナリンの測定値もかなり上昇したと。
ーー驚いたでしょう。
「いえ、まあ自覚はありましたし。納得感の方が大きいです。」
ーー現在何かの治療は?
「まあ私の場合、職業柄服装は自由ですし、実生活に影響はないので特に治療は必要ないとのことです。ただたまに葬式とかあればラグビージャージってわけにはいかないので、事故など起こさないように医者からはリポビタンDのジャージキーホルダーを処方されました。ええ、これでも身に着けてると、ある程度禁断症状の抑止効果があるって話です。幻覚とかある重症の人にも一定の効果はあるらしいです。いえ、保険は適用されませんでした。」
キーホルダー
ーー社会に訴えたいこととかは?
「この先患者が事故や事件起こしたとしても、病気なのでどうか温かい目で見て欲しいですね。
ラグビージャージさえ着てれば社会的に無害な病気ですから。だからこれからは社会のどんな職業でもどんな場所でもラグビージャージが着られる「ラグビーに優しい社会」になって欲しいです。
あと、ジャージキーホルダーの処方には健康保険の適用をしてほしいですね。」

<ラグビーに詳しいスポーツライター 藤島特大氏の話>

とても納得のいく症状ですね。ただこの患者たちを病気だからと排除する方向に考えるのではなく、むしろ「資源」として有効活用することを社会は考えた方がいいと思うな。ラグビージャージ着るだけで能力が1.5倍とかなるならまさにこれは「新たな資源」ですよ。労働力不足解消、少子化対策にも有効かもしれない。中高年の女性がラグビーファンになってジャージを着れば妊娠出産も可能かもしれないし。だから対策というより社会として推進する。ラグビーファンが増えればさらに資源の獲得になると。そう考えた方がいいですね、ドラマが生まれる。

<追記>
この記者会見の後、現在「襟付きラグビージャージ」で圧倒的シェアを持つ「カンタベリー・オブ・NZジャパン」社を子会社とする「ゴールドウィン」社と、ジャージキーホルダーを生産する「大正製薬」両社の株式は買い注文が殺到。最高値を記録した。

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