
コリン・ボークが日本国籍取得
これは驚いた。
「ボークコリン雷神」だって!!
この日本名、明らかに「リコーブラックラムズ」式だなあ。
「カウヘンガ桜エモシ」とか「ロトアヘアポヒバ大和」とか「ロトアヘアアマナキ大洋」とかみたいな。
いやブラックラムズでも「ブロードハースト・マイケル」とか「マウ・ジョシュア」みたいに普通に姓と名をひっくり返しただけの「日本名」もいるけど。
これで「帰化外国人」6人かあ。スゴイ勢力だな。みんなFW。
えっ?カウヘンガは退団?そうかー。寂しいな。
リコーの外国人はみんな日本国籍取得するのかな。あと、日本在住が5年に近づいてるのはバックスのロビー・ロビンソンとティム・ベイトマンか。帰化したら「ロビンソン・ロビー」か、それとも「ロビンソンロビー風神」とか?
帰化選手の多くは若いころに来日している
それはともかく。
なぜコリンボークだと驚いたのか。
初めは私自身なぜ驚いたのかわからなかったが、それはやはり彼が元「7人制NZ代表」って「大物」だからだな。上記以外にも帰化外国人選手はいっぱいいるけど多くは高校大学からの留学生で、ラグビー選手としても人間としても、まあ「半人前」が日本で成長して「一人前のラグビー選手」になった連中だ。
リーチ・マイケルしかり、ラファエル・ティモシー、ツイ・ヘンドリックしかり。
留学生でなくても多くは「若手」として来日して帰化した選手達。トンプソン・ルークは23歳で来日かな。
そんな中でボークは例外だ。だから驚いた。
いやそういう意味では「ロス・アイザック」の方がもっと驚きではあったけど。
若手ラガーは日本を目指す
それにしても留学生にしろそれ以外にしろ、ラグビーでは来日後帰化してプレイを続ける選手が本当に多い。
同じプロのチームスポーツでも野球なんか私の知る限りほぼゼロだ。理由はわからない。仮説も思いつかない。米国籍を離脱すると高額な「国籍離脱税」がかかるせいかとも思ったが、バスケットボールの世界では米国出身帰化選手がかなりいるようで、この仮説はハズレ。ルールの問題なのか。
台湾出身では荘勝雄・李宗源が帰化している。私が思いつくのはこの二人だけ。ただし李はロッテのスタッフ三宅氏の養子になるといういわば「裏口入学」。当時外国人枠3人の時代にレオン・レロンのリー兄弟とこのリー(李)の3人を抱えてロッテが行使した裏ワザ。まあ「偽装結婚」よりはマシだが。
サッカーではかつて、代表だけとっても、ラモス瑠偉・呂比須ワグナー・三都主アレサンドロ・田中マルクス闘莉王とかがいた。それでもラグビーに比べれば圧倒的に少ない。最近は見当たらない。
これはラグビー「ならでは」の事情があるのだろうか。
サッカーの場合世界中にプロリーグがあって、たとえばJリーグで「通用しなくなった」選手が他国リーグでともかく「プロとして食っていける」環境はある。2部も3部もある。だから来日外国人選手も日本に「長居」する必要はないのだろう。
逆に上昇中の若手選手にとってもサッカー界では一つのクラブ、一つの国に固執することはない。自分の価値を上げて次々に大きなクラブへの移籍を繰り返すのは世界の常識だ。いわばサッカー界の「根無し草文化」。
そういう文化が日本のJリーグでも定着したことにより日本への帰化選手も少なくなった、という事なのだろう。
だがラグビーの場合そうはいかない。世界のラグビー市場はサッカーに比べて圧倒的に小さい。そんな中、日本のトップリーグは、強豪国のプロリーグには入れない、あるいは出番のない選手の「受け皿」になっている一面は事実としてある。
「突破力ではトップリーグでも随一のセンター」とまで言われるヤマハのタヒトゥアだって、ヤマハが連れてくるまではホテルのバーでバーテンダーしていたという。ラグビーの世界市場とはそういうものなのだ。マレ・サウもかつてインタビューで語っていた。「日本でプロとして生活できることを本当に感謝している。その気持ちを込めて日本代表を選んだ」と。特にトンガ・サモア。フィジーなどの太平洋島嶼国では自国の経済力を考えると日本でラグビーを始めることは大きな人生目標となりうる。
それ以外の国にしろ、去年サニックスに来た南アの若手№8なんか自身の結婚式をキャンセルしてでもサニックスのオファーに駆け付けたという。人生初のプロ契約を求めて。
そうして来日を果たした選手が日本で選手寿命を長くしようと思えば当然「日本国籍取得」という選択肢が輝く。
「日本人」になれば「外国人枠」にとらわれず試合に出場できる。これは本人にとってもチームにとっても大きなメリットだ。
日本国籍の取得は簡単ではない
だが話はそう簡単ではない。「日本人」になるのは「狭き門」なのだ。日本の法律とその運用においては。
5年以上の居住については先述したが、これはまあ居さえすればいいのだから難しくはない。「家族も含め犯罪歴が無いこと」もまあ普通に暮らしていればクリアできるだろう。
問題は「日本語力」である。「小学校低学年程度の読み書き」が求められるという。これは難しい。
さらに日本では二重国籍が認められないから、「帰化」によって日本国籍を取得する場合、前の国籍を離脱した証明書が求められるという。
こうして見てくると、来日外国人が「日本国籍を取得する」ことが単に「日本でラグビーで食っていく」だけの目的でなどできないことがわかる。
元の国籍を離脱するには当然家族の反対もあるだろう。
「小学校低学年程度の読み書き」になると、これは急に「帰化」を思いついてできるようなもんじゃない。かつてJリーグ川崎フロンターレにジュニーニョってブラジル人得点王がいた。ワールドカップを前に、「日本国籍を取って代表入りする」と宣言して本人とサポーターが大いに盛り上がっていたが結局叶わなかった。ずいぶん長く日本にいたようだが日本語がダメだったようだ。
それでも日本国籍を選択する選手達
来日外国人選手でも「留学生系」は初めから日本にこの先何年も暮らし、ラグビーで食っていく、という生活設計はあるのだろう。大東文化大のシオネ・ラトゥ氏らに始まる大きな見本と目標がある。学生としても日本語の習得は必修だろう。もちろんその先力をつけて、リーチやマフィ、ツイのようにスーパーラグビーデビューという大目標はあるにしろ。
だがトップリーグなどのチームへの助っ人として来日する外国人にとっては、基本そこは出稼ぎの場である。日本での生活にしろプレイにしろ通訳はいるし英語だけでもどうにでもなる。
だが帰化した彼らは早くから日本語を学びチームメイトやご近所と日本語でコミュニケーションを取り、そして多くは「故国の家族の反対を押し切って」元の国籍を離脱して「日本人」になったのだ。単に当面の食い扶持を稼ぐためだけにこんなことはできない。
多くは10代か20ソコソコで来日する留学生と異なり、彼らは来日して5年たてば年齢は30歳前後。いくら頑張ったところで帰化後の選手生命は知れている、その後は「長い引退後の生活」が待っている。その時は「帰化外国人」である事の方が日本社会で不利益が多いことも予想される。母国籍のまま帰国した方が不利益は少ないかもしれない。だからもちろん、留学生だろうと居住が長かろうと日本語が達者であろうと、帰化しない選手も多い。当然の選択ではある。
功利的損得勘定ではマイナスかもしれないのに、それでも日本国籍を選ぶ選手がいる。
日本人・日本社会・日本での生活への深い思い。
そう考えると彼らの決断、特にロスやボークら大物の決断の大きさ、日本への愛情の大きさに圧倒されるのだ。
ボーク34歳の選択。決断。
ボークコリン雷神はやはりNO.8だな
さてボークコリン雷神、去年はFWでの出場がメインだったが、以前はスタンドオフで先発ってのが多かった。
これは私は疑問だったなあ。彼がスタンドやっても普通にパス・キック・ランが上手だったけどそれだけと言うか。あの巨体とスピードでまず突破を試みてディフェンス何人も巻き込んで展開、って作戦ならわかるがそういうのでもなかった。ほかにスタンドの適任がいないのならともかく、控えにタマティ・エリソンがいたのだから意味わからなかった。実際エリソンが途中からスタンドに入ると一気にバックスラインが活性化したように思う。
ま、もちろんそれはボークの責任ではないが。
おまけ
実は私、ボークと同様、NO.8とスタンドオフの「二刀流」だったのだ。
で、リコーのボークを見た時は「おお、俺は日本のコリンボークだな。」などと一人で悦に入っていたものである。
いやもちろん代表とかプロリーグとかのレベルの話ではありませんが。
<追記>
「野球に帰化選手が極端に少ない理由」について、この記事を読んだWさんから有力な仮説が提供されたので紹介します。
「野球は試合中などほとんど親密なコミュニケーションなど必要ないから」というもの。
確かにバスケもコミュ力大事ですし。サッカーも海外志向強い選手は若い時から英語ドイツ語ポルトガル語とか勉強します。そうしないと海外でサッカーができない。一方野球はムカシの野茂とか「米国には野球をしに来たのであって友達作りに来たんじゃないから英語なんかいらない」って言ってましたから。野球はそれで済んでしまう。
まあ「読み書き」は直接プレイには関係なくても現地・友人になじめば自然とこれもマスターしたくなるってものなのでしょうか。
そういう意味で、FWの方が帰化選手多いっていうのも理由がありますね。コミュの必要性に差はなくても、バックスと比べるとお互いの「親密さ」ってちょっとケタ違いな所がありますから。
と考えると昨季ボークがFWに専念したのも帰化への後押しになったかも。5人もの帰化の先輩に囲まれて、「みんな幸せそう。よしオレも」って思ったか。
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