マフィの力量に疑いの余地はないがアマナキ・レレイ・マフィの代表復帰が熱望されているようだ。私も彼の能力・代表における必要性について異論はない。なにしろスーパーラグビーのシーズンベスト15に選ばれた逸材である。
もちろん私も彼の「獰猛な」プレイは好きである。彼がボールを持てば「何かしてくれる」とワクワクさせられる。確かにデビュー当時のような、バッタバッタとディフェンスをなぎ倒して突進するようなプレイは見られなくなったが
マフィリスクの存在
だがちょっと待って欲しい。去年問題となった暴行事件、そしてイングランド・バース時代にもこの手の問題を起こしていたのではないか。
(バースの件は私の検索力では確認が取れなかったが、「健康診断の順番で割り込みをして実質解雇になった」というクラブ側の公式発表がある」という。え、それだけで普通解雇になるか?)
去年トップリーグに復帰してからは2試合続けてイエローカードをくらっている。「謹慎明けの復帰戦において」である。どちらもアクシデンタルなものでも「レフェリーの解釈による不運なもの」でもなく、明らかに「マフィの意識的故意」によるものだった。
マフィとはそういう選手である、という事を明確に認識する必要があるだろう。
「勝ちたい、チームに貢献したい」という強い思いが時に空回りして「暴走」へのスイッチが入ってしまう選手であるという事。
つまりここで言っているのは「謹慎期間とその解除をどうするか」という問題ではない。マフィが所属するチームは常にこうしたリスクを伴うという認識だ。いわば「マフィ・リスク」の認識。
代表にしろNコムにしろ出場すれば攻守の中心となるマフィ。その彼が突然10分間の退出となる可能性が非常に大きいというリスク。実際Nコムは復帰戦で彼の退出中に逆転され大事な試合を落とした。
あるいは代表メンバーとして遠征や大会があってもその期間中に「事件」を起こして離脱してしまうかもしれないというリスク。
代表監督ジョセフは当然このリスクを考慮すると思われる。ファンも彼の選出を願うならそのリスクを覚悟しておくほうが良い。「もうあんなことはないだろう」というような楽観論を前提とするなら選出しないほうがいい。
「またしでかすかもしれない」という前提に立って、なお彼が必要だ、と言うならそれはそれでいいと思う。
「人格の問題」ではない
「人格に問題がある」との見方はとりたくない。「人格に問題がある」のなら私生活でも何か問題行動が起こされて当然である。だがそいそういう話は聞かない。彼が「問題」を起こすのは常にラグビーの世界においてのみ、である。
つまり先述したように、「勝ちたい、チームの勝利に貢献したい」との強い思いが「暴走」へのスイッチを入れてしまう、という「症状」が明確に見えてくる。
つまりマフィが選出されるのなら、今必要なのは謹慎でも、説教や教育で「自覚を促す」とかの精神論でもなく、専門家による「治療」であろう。
「勝ちたい」という強い思いが「暴走」へとつながる回路を断ち切る治療である。
Nコムでの復帰戦でイエローカード食らった時の彼の悲しそうな顔が忘れられない。
つまり彼は判っているのだ、こんなプレイ、こんな行動は絶対にしてはいけないと。それでも繰り返してしまう。
先日、元オリンピック代表の女子マラソン選手が「自分は万引き依存症である」との記者会見を開いていた。
彼女もそんなことしてはいけないとわかっている。してしまうと自分も回りも傷ついて迷惑かけて、いいことなど何もないことも。
彼女は現在精神医療の治療を受けていることも明かした。
その会見を見て私はマフィを思い起こしたのである。
ま、「治療」という言葉がきつかったら「トレーニング」でもいいんですが。
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